アート

『知られざる鬼才 マリオ・ジャコメッリ展』

ジャコメッリの特殊性は彼が印刷工であり、写真をイメージではなく、具体的なアウトプットとして捉えていたことだった・・・この展示会が優れていたことは、そのことを観客にきちんと知らしめた点にあると思った。 例えば、本展のメインイメージとなった、白…

小西真奈展『どこでもない場所』

『二時間ほど歩いた頃から、あたりの風景は何だか異様に凄くなつて来た。凄愴とでもいふ感じである。それは、もはや、風景でなかつた。(中略)昔から絵にかかれ歌によまれ俳句に吟ぜられた名所難所には、すべて例外なく、人間の表情が発見せられるものだが…

尖 東京展「京都の呼吸力」(佐藤美術館)

京都の若手“日本画家”*1により結成されたグループの、はじめての東京での大規模な展示会。のびやかで個性的な作品に触れていると、自然と“かあぃらしい(京都弁ふうなつもり)”という思いが溢れてくる。現代美術から美術に触れるようになった、素人の鑑賞者…

『アートで候。会田誠・山口晃 展』続き

先日のエントリー*1に対し友人から、括弧つきの『現代美術』の文脈を意識しすぎる、と指摘があった。職業評論家であるわけでもないのだから、素直に絵に対し感動を表現すればいいのではないかと。ぶっちゃけてしまえば、私はこの展示を見て、そのコンセプト…

『アートで候。会田誠・山口晃 展』(上野の森美術館)

激しく会場との違和感を感じた。会場の、施設の古さ、に。なにも自分はいつも小奇麗な施設でしか美術鑑賞をしない、というわけでもない。六本木に行ったことはないし、木場は一回しか行ったことがないが、竹橋は年に数回くらいは行くし、割と好きな場所だ。…

磯崎新講演『ターニングポイント;空間から環境へ 万博 ポストモダン』

神奈川近代美術館で開催中の『メディア・アートの先駆者 山口勝弘展』の関連企画である連続講演会、『戦後日本における芸術とテクノロジー』の第3回である、磯崎新の講演『ターニングポイント;空間から環境へ 万博 ポストモダン』を聴きに行く。1997年に水…

長新太 死去

おんぶおんぶねえおんぶ (長新太のねえねえ・えほん)作者: 長新太出版社/メーカー: ポプラ社発売日: 2005/05メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見るhttp://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/fu/news/20050627k0000m060041000c.htmlうおーんと泣い…

夏のトラウマ

前のエントリーhttp://d.hatena.ne.jp/beach_harapeko/20050620/p1から派生した雑感を少し『リトルボーイ』〜原爆から始まる現代日本文化史 Little Boy: The Arts Of Japan's Exploding Subculture作者: Takashi Murakami出版社/メーカー: Yale Univ Pr発売…

片岡球子展(神奈川県立近代美術館 葉山)

もちろん絵を生業にしているわけでもなく、さりとて観賞用に絵を購入するような高尚な趣味も財力も持ち合わせない一般人だ。絵を見るのが好きです、現代美術に興味がありますと言ったところで、有名な海外作家の展覧会に行ったり、気兼ねのない小さな画廊を…

片山若子

「春期限定いちごタルト事件」のガーリーな部分をかなりの率で請け負っているのが、表紙のイラスト。 作者は片山若子さんという人。 サイト『渋皮栗(http://www.asahi-net.or.jp/~rc4w-ktym/)』を見ると、鯨統一郎「とんち探偵一休さん」シリーズの装画や…

カポナイトリローデッド

そんな思いをして撮った映像が見られるのはKAPONIGHTだけ! イベント詳細はこちらです↓>>>>>>>>>>>■カポナイトリローデッド http://alo.que.jp/kaponight/ 2004.10.15(fri) 19:30〜all @ 渋谷gabowl \2000(w 1drink) ■ネバダ州北部、ブラックロ…

「時代のアイコン」展(松屋銀座)

http://www.matsuya.com/ginza/art/jidai/wd.html■杉浦康平『全宇宙誌』を始めて見る。眼福。 http://www.kousakusha.co.jp/BOOK/cosmo.html■一階下のギャラリーでの「亀倉雄策の抽象形体と言語」も興味深し。 あの紙質あっての発色を見ないと、時代が伝わら…

ひかりまつり

8/21(土)、チームKATSUMI http://harapeko.que.jp/bb100/ のお嬢様方に誘われ・・・ レイブ好きのKATSUMIおすすめSHINKILOW(神鬼廊)が出るというので、おお、俺もレイブデビューだよ!朝とか訳とか薦められたらどうしましょう嬉しい悲鳴!みたいなのを想…

柳宗悦の民藝と巨匠たち展

一度、神奈川県立近代美術館の葉山分館には行ってみたい!と思っていたので行ったですよ。・・・告白します。てっきり、スプーンやフォークが並んでいるんだろうと思い込んでいました(爆)。あー親子なのねー、知らなかったー(恥)http://www.moma.pref.ka…

松蔭浩之先生と行く江ノ島ツアー

昨日土曜日、松蔭浩之先生とその生徒さん10数名に混じって、江ノ島で半日遊んでまいりました。 梅雨入り前の最後の晴天に恵まれた一行は、改装間もない新・江ノ島水族館から、島裏手の岩場、山頂登山を経て、これまた新装オープンなった灯台に登り、古色騒…

乙女再生計画

という話をふまえた上で、また「肉体塾」の、今度は生徒さんの作品にもどるけど、なかで赤い提灯をたくさんぶら下げたやつがあって、そこにはそれぞれ短冊が吊るされていて、表側にはいわゆる紋切り型の「ギャル言葉」が多種書かれている。で裏側は全て一様…

肉体塾at美学校

きのう(31日)、神保町の美学校での、松蔭浩之&宇治野宗輝クラスの卒業制作展(だと思う)「肉体塾」を覗く。 映像、インスタレーション、爆音パフォーマンス等、それにしても女の子が元気だよなあ、こういうにおいのする「学校」では。 課題として「キュ…

[]eX-Girl[] Presents RESONANCE vol.2

松蔭浩之先生からのメール転載。つうかここは松蔭告知板か?愛があるからいいけれど。 松蔭浩之と宇治野宗輝によるゴージャラス。今年最後のライブのお知らせです。 韓国でのライブ公演も大盛況、また個人での活動も目立った我々の久々にして最後のライブハ…

『女性上位時代』展/木村了子

http://www.vanilla-gallery.com/pages/gall01.html不健康で劣情を催すエロをまっすぐ描ける人は貴重だ。テレなんか入っちゃうともう、笑いかグロに逃げるしかないわけで。木村了子氏は、以前に見たときの花魁暴走族のステンドグラスもひっくり返りそうな衝…

昨日の乙一氏の感想、とりあえずのつもりがなかなか先が書けません。いろいろな書評で取り上げられている乙一作品の切り口に対する違和感や納得といったもの、それがどうにもこうにも気になるのはたぶん彼の作品がかなり私のツボに入ってくるからで、考えが…

備忘録

■10/11 『さみしさの周波数』(乙一)角川スニーカー文庫ISBN:404425303XO・ヘンリー、アーヴィングは言い過ぎとしても、職人かたぎとも言える構成力にただ嘆息。 「右腕の感覚を残して植物人間になった主人公と、家族の物語」である『失はれた物語』は、た…

Kosuke tsumura presents UN FORMAT STAGE 2

松蔭浩之先生からメールいただきました。告知します。 ★10/11「Kosuke tsumura presents UN FORMAT STAGE 2」******************日時:2003年10月11日(土) 開場17:30/開演18:00〜19:00まで会場:国際連合大学中庭特設会場 料金:無料 企画:津村耕佑 参加…