2006-01-01から1年間の記事一覧

『父親たちの星条旗』(クリント・イーストウッド)

男は、黙って、ズドンだ!イーストウッド映画を見る楽しみを一言でいうなら、そんなズドンを息を呑んで見つめることだ。ズドンというのを無理に説明すると『主人公の善悪に係らず、その信念が暴力的に決行されるさま』とでも言えようか。女が半身不随になっ…

セピア色

ジオラマ論―「博物館」から「南島」へ (ちくま学芸文庫)作者: 伊藤俊治出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1996/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見る伊藤俊治の『ジオラマ論』という名著があって、それによると20世紀…

※危険ですのでマネしないでください

先ほどテレビにダチョウ倶楽部が出ていて、「竜ちゃんに熱いおでんを無理に食べさせる」というネタをやっていた。 それ自体見慣れた、おなじみのアレって感じなのだが、よく見ると画面に字幕で「※危険ですのでマネしないでください」みたいなのがでてる。こ…

動かざること、ヤマンドゥの如く

G:detailチャーリー・パーカーが、生前に唯一その動いている姿を記録されたフィルムというのがある。 例の、めちゃくちゃ早いフレーズを、どんなふうに吹いているのか興味深く思いながら見たことがあるのだが、私たちが今、目にすることが出来る「動いている…

『時をかける少女』を伝説たらしめる3つの背景

よかったよかった。細田守&奥寺佐渡子という贔屓のひきたおしの二人の共作が、よもや傑作にならないとは思っても見なかったものの、まさかここまでの好評の嵐。 初日にテアトル新宿を訪ねた思い出が、伝説の始まりに立ち会ってしまったようで、もはや誇りに…

日本の映画会社の成分を解析する

【成分解析 on WEB】 http://seibun.nosv.org/ 東宝の解析結果 東宝の47%は夢で出来ています 東宝の43%は利益で出来ています 東宝の5%はマイナスイオンで出来ています 東宝の3%はミスリルで出来ています 東宝の2%は心の壁で出来ています 東映の解析結果 東映…

今日は、3.14=π(パイ)の日

と、日本パイ協会が2002年に定めたんだそうです(爆) http://www7a.biglobe.ne.jp/~pienohi/日本パイ協会、会員はふたりだけで、でも地道にイベントを続けてきていて微笑ましい。『今年は、参加店舗が30店舗に増えました!』って。いいなあ。でも、3.14でπ…

磯崎新講演『ターニングポイント;空間から環境へ 万博 ポストモダン』

神奈川近代美術館で開催中の『メディア・アートの先駆者 山口勝弘展』の関連企画である連続講演会、『戦後日本における芸術とテクノロジー』の第3回である、磯崎新の講演『ターニングポイント;空間から環境へ 万博 ポストモダン』を聴きに行く。1997年に水…

脳内か超常かメタ

『フライトプラン』が見たくて仕方がなかった。“衆人環視の飛行機の中から子供が忽然と消え失せる。客観的な事実は「子供は元からいなかった」と母親の妄想を示唆している。しかし、唯一残された娘の痕跡を心の支えに、母親はひとり、見えない敵に立ち向かう…

周りの子

自分のこどもをいじめる、周りの子が憎い。これ、相手が幼児であったとか、実際に手にかけてしまったという事実を別にすれば、実に“真っ当な”感覚なのではないかな。5歳くらいでもいるよ、ひとりの子供を苛めるために、他の子供と徒党を組んで孤立させるよ…

『アクアポリスQ』津原泰水

アクアポリスQ作者: 津原泰水出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2005/01/12メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (28件) を見る津原泰水を初めて読んだのは、去年の短編集『奇譚集』だった。 とにかく怖い小説だった。それはモチーフである…

『激走 福岡国際マラソン―42.195キロの謎』鳥飼否宇

激走 福岡国際マラソン―42.195キロの謎 (小学館ミステリー21)作者: 鳥飼否宇出版社/メーカー: 小学館発売日: 2005/11メディア: 単行本 クリック: 20回この商品を含むブログ (25件) を見る※『容疑者Xの献身』が直木賞を受賞した。これで『このミステリーがす…

『DRAMA COMPLEX ミステリーの女王 山村美紗物語』(24日 日本テレビ)

※通勤電車の中で、隣に座っている人が何を読んでいるか気にかかる。行儀の悪いことと知りながら、ついつい横目でページを覗き込む。《…オカンは田舎にいるときよりも…》 《…おみゃあさんが犯人だなも!…》 《…十津川は…》 《…キャサリンは…》ああ〜、見た瞬…

ダンボールハウスボーイ

乱雑に置かれた段ボールの箱。そこにいるのは、巨大なビルに似つかわしくない、“若者たち”。 六本木のライブドアでその日出会った彼らは、やっぱりオン・ザ・エッヂ時代に渋谷で出会った人たちと良く似ていて、若者らしい自信のなさと、相反するようだがその…

あのころ、南青山で

テレビに映し出される六本木ヒルズ。ヒルズ族、勝ち組などと言う呼称を添えられ、現代日本の「階層社会」にルサンチマンを植えつけるイコンとして、マスコミに祭り上げられたこの聖堂に、今、尋常でない数の検察の捜査員が吸い込まれていく。落ちた偶像の姿…

芸能人格付けチェック!お正月特大スペシャル

所詮芸能人などひと皮向けば田舎者、小金持って高級レストラン通ったところで本物の味なんかわかるわけねえよな〜と、下種な一般視聴者の劣等感をスカッ!と解消する名番組『芸能人格付けチェック!』を見た。もちろん下種な私も、「伊勢海老とザリガニの区…