読書

『暗いところで待ち合わせ』(乙一)幻冬舎文庫ISBN:4344402146

『手を握る〜』が「ローマの休日」なら、こちらは「暗くなるまで待って」ASIN:B0000AXM2A。 ヘップバーン好きかよ。

備忘録

■10/11 『さみしさの周波数』(乙一)角川スニーカー文庫ISBN:404425303XO・ヘンリー、アーヴィングは言い過ぎとしても、職人かたぎとも言える構成力にただ嘆息。 「右腕の感覚を残して植物人間になった主人公と、家族の物語」である『失はれた物語』は、た…

『動物化するポストモダン』(東浩紀)ISBN:4-06-149575-5

舞城王太郎→ファウスト→東浩紀、という流れでようやく読みました、オタク第一世代と同世代でありながら常にオタクから一歩遅れでサブカルチャを享受しつつ、新書で読む程度に現代思想にも触れてきた私には、ポストモダン入門書としてたいへん面白く読めまし…

ユヤタン泣けるよ

『赤色のモスコミュール』(佐藤友哉)ファウスト掲載全裸のスギハラ先輩の醜悪なしかし男性性をイヤというほど意識せずにいられない描写にあらわれた思春期の自己嫌悪。 !唾棄すべきはセックス! !賞賛すべきは血と破壊! 反転した価値観で少年時代をすご…

ユヤタンに挑戦♪

『フリッカー式 鏡公彦にうってつけの殺人』(佐藤友哉) ISBN:4061821962デビュー作だろこれは? ということはすくなくとも普通に講談社ノベルスでこの話を読む読者は、この話以前にもしかして書かれたかどこかに発表されたか、あるいは作者のアタマの中に…

さらにひきこもって

『子どもの王様』殊能将之ISBN:406270563X 『ドリルホール・イン・マイ・ブレイン』舞城王太郎(小説現代10月増刊号「ファウスト」掲載)すごく好きな二人の新作を一日で読んでしまうとはなんと贅沢な。でもどちらも短くて喰いたリない。団地・母子家庭・鍵…

そうだ、金城一紀を読もう

『対話篇』ISBN:4062115301 『FLY,DADDY,FLY』ISBN:4062116995金城一紀の描くがんばる男の子たちはいつも眩しい。男の子たちは無関心と自己保身と怠惰で生きているのか死んでいるのかわからない大人たちの中に入りこんで、もっと自分で考えて、自分で立って…

『ホラー映画の魅力 ファンダメンタル・ホラー宣言』(小中千昭・岩波アクティブ新書)ISBN:4-00-700086-7

妻の両親、つまり義父母が、ビデオカメラを買うので機種選びに店までつきあって欲しい、と言う。まもなく私の息子、義父母にとっては孫の幼稚園の運動会だから、という理由である。 これは孫の運動会に持っていくビデオカメラも買えないふがいないムコに、優…

『ジャンキー編集者』『大市民』

大麻でタイホの元マガジン編集者が自伝を出版 グラビアページ担当なだけに、グラビアアイドルとイチャつきほうだいだわ、海外行きほうだいだわ、年収1500万円だわ…心地よい嫉妬にくるまれてギリギリしたい人におすすめ! http://www.excite.co.jp/book/news/…

直木賞作家と芥川賞作家の活字力

活字文化公開講座 本の街からの発信『活字のパワーを取り戻せ』 ■直木賞作家と芥川賞作家の活字力 日時 ■2003年11月1日(土)13:00〜15:30 入場無料 場所 ■明治大学駿河台校舎リバティタワー 1階ホール 内容 ■第一部 基調講演 「活字のパワーを取り戻せ」(…

夏休み課題図書

『九十九十九』(舞城王太郎)ISBN:406182306x。 あんまりにもするする楽しく読めたので、『苦痛だ』『不快だ』『難解だ』という声を聞くにつけ、あれ、もしかして自分、ちゃんと本読めてない?とちょっと不安。で、読書感想文は、舞城文体を頭から追い出し…

夏休み課題図書

家に帰ってから『暗闇の中で子供』(舞城王太郎)ISBN:4061822063。だってなんだか勢いのある一日なので。肌が陽を貯えているようで、熱くて眠れん!

『何をやっても 癒されない』

さて、春日武彦の『何をやっても 癒されない』ISBN4-04-883823-7に、幻臭を患った患者さんの悩みについて書かれた部分がある。ここでの患者さんの悩みは、他人の匂いが気になるということではなく、自分が何か嫌な匂いを発しているのではないか(客観的には…

美術手帖8月号

以前『空腹』でレポートした『バスハプニング2003』が記事になっていて、写真を何点か提供させていただいたのだが、誌面でサイトを紹介いただいたうえに、献本までいただいて嬉しいのであります。 http://www002.upp.so-net.ne.jp/harapeko/bus2003/01.h…

『「爆心地」の芸術』(椹木野衣 2002)読了

空襲を経験したわけでもなく、ましてや1960年代の高度成長期に生を享け、戦争を知らずに育った自分の中になぜ、廃墟や焼け跡に対する「ノスタルジー」のごとき感情が存在しているのか?

『日本・現代・映画』

『日本・現代・美術』(椹木野衣)を読んでから、俄然「戦後〜55年」の動きに興味がわいている。日本映画と撮影所の、なんだか嫌な関係が、この時期に出来たのではないかという直感があって、その最大の契機は例の「東宝争議」にあったに違い無いと思う。…