朝日新聞が記事を差し替えました

昨日引用した、パウエル国務長官の発言に関する朝日新聞の記事が差し替えられました。
削除されたのは、長官が、3人の人質の自己責任を問う意見に対して批判した次の部分。

また、「誰も危険を冒さなければ、私たちは前進しない。より良い目的のため危険を冒した日本人がいたことを私はうれしく思う」と述べ、3人の自己責任を問う声に反論。「危険を冒した市民がいることを、承知でイラクに派遣された兵士がいることを、日本の人々は誇りに思うべきだ」と述べた。

削除前のGoogleのキャッシュ
http://www.google.co.jp/search?q=cache:rNjrKPTfN68J:www2.asahi.com/special/jieitai/houjin/TKY200404160129.html+%22%E3%83%91%E3%82%A6%E3%82%A8%E3%83%AB%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E5%8B%99%E9%95%B7%E5%AE%98%E3%81%AF%EF%BC%91%EF%BC%95%E6%97%A5%22&hl=ja&ie=UTF-8&inlang=ja

※4/19注;削除されたようです

削除後の記事
http://www.asahi.com/international/update/0416/005.html

http://d.hatena.ne.jp/pavlusha/20040416さんの指摘で判明しました。

※同記事は、朝日新聞4/16夕刊国際面でも読めました(小さな記事でした。刷によって読めない可能性もあるでしょう)

※また同記事については、4/16報道ステーションでも言及がされていました

※4/19注;この件に関し、朝日新聞より回答が寄せられています。ご参照ください。
http://d.hatena.ne.jp/beach_harapeko/20040419#p3

ここにきて、3人の「自己責任」を問う声が増してきています。それもはっきりとテレビ・新聞などのマスコミにその空気が感じられます(読売などは始めから明らかでしたが)。

朝日新聞がここまで露骨にその風潮に乗ってきたことに恐ろしいものを感じます。

※わたしは全面的にパウエルの意見に賛同するわけではありません。しかし日本の貧しい二者択一論に対するオルタナティブな意見として、朝日の一記者が掲載した記事に対し、組織の判断としてその削除がなされることは、第三者としてあるべき報道機関のすることでは断固ありません。

※「自己責任」という熱狂的な合唱に乗り損ねることに対する恐れ。乗っておかないと、自分が今度は血祭りに上げられるのでないかと言う恐れ。それを政府高官の発言が助長し、国民に伝播されているのが今の状況でしょう。
そのなかで、少なくとも、左派の進歩派ズラした朝日新聞が、その恐れに拮抗しなくてどうするのか。2chの朝日叩きではないですが、少なくとも「偽善」という「善」であった朝日新聞は、いまや「善」をかなぐり捨てつつあるようです。