検証

少々クドくなりますが、当該の夕刊紙を検証します。

朝日新聞4月16日夕刊4版、3面の「イラク人質問題」は、次の3つの記事(プラス「小泉首相 発言要旨」)から構成されています。

A.右上、一番大きな見出し

 3人解放
 自己責任問う声次々
 政府・与党「費用の公開を」

 ※内容は以下リンクと同内容。
 ただし最後の一段落

一方、石破防衛庁長官は「想定される危険から身を守る能力をもった組織は現在の日本国では自衛隊のほかない、ということで自衛隊が行っている。渡航自粛勧告が出ているわけで、(イラク支援活動は)いまは自衛隊でなければできない」と述べ、3人がイラク入りしたこと自体に無理があったとの見方を示した

 は、紙面ではカットされています。

 http://www2.asahi.com/special/jieitai/TKY200404160255.html
 http://www.asahi.com/politics/update/0416/007.html

B.その記事の末尾に、パウエル発言が掲載(上記記事より小さな見出し文字。)

 米国務長官は
 「誇りにして」

 ※内容は以下。ただし記事文頭に
 【ワシントン=坂尻信義】と署名あり

パウエル米国務長官は15日、一部メディアとのインタビューで、イラクで人質になった市民の自己責任を問う声があることについて「誰も危険を冒さなければ、私たちは前進しない」と強調。「より良い目的のため、危険を冒した日本人がいたことを私はうれしく思う」と述べた。
「日本では、人質になった人は自分の責任を持つべきだと言う人がいるが」と聞かれたパウエル長官は、これに反論して「彼らや、危険を承知でイラクに派遣された兵士がいることを、日本の人々は誇りに思うべきだ」と語った。

C.Aの左やや下、見出しはAより小さくBより大きく

 米国務長官
 「日本政府に協力」
 不明2人にも「全力」

 ※内容は以下リンクと同内容
 ※ただし記事文頭に【ワシントン=坂尻信義】と署名あり
 ※以下最後の段落

さらに「誘拐犯に屈したら、連中は新たな要求を突きつけてくる」としたうえで、日本人3人が解放された一方で、イタリア人1人が殺されたことに言及。「小泉首相もベルルスコーニ伊首相も、テロに屈してはいけない、テロリストの手に自分たちの運命を委ねてはいけない、ということを十分に理解している」と述べ、誘拐犯が要求したイラクからの部隊撤退に応じなかった両首脳を評価した。

 は、紙面ではカットされています。
 http://www2.asahi.com/special/jieitai/houjin/TKY200404160129.html
 http://www2.asahi.com/special/jieitai/TKY200404160129.html
 http://www.asahi.com/international/update/0416/005.html


朝日新聞の説明はつまり、当初「C + B」だった記事の、「B」が独立し、「A」のサイドストーリーになったということです。
ので、「C + B」が「C」のみになり、「B」は、サイト構成上「掲載対象外にカテゴライズされた(速報性を重んじているのでサイドの読み物的な話は内容の如何に関わらず、配信しないことがある。)」というわけですね。

比較検討のため、もういちど「削除された段落」を引用します。上記「B」と見比べてください。

また、「誰も危険を冒さなければ、私たちは前進しない。より良い目的のため危険を冒した日本人がいたことを私はうれしく思う」と述べ、3人の自己責任を問う声に反論。「危険を冒した市民がいることを、承知でイラクに派遣された兵士がいることを、日本の人々は誇りに思うべきだ」と述べた。

概ね、内容に変わりはないかと思います。
また、A及びCにおいて、Webに記載されているに関わらず、紙面ではカットされている箇所があることも、今回説明にあったの「編集上の都合であって他意はない」という回答で私は納得できるものです。