その日

日本プロ野球機構と選手会との団交が妥結に到った昨23日、丁度その団交中に行われていた【横浜vs巨人戦】は、巨人にとっては実に11年ぶりとなる『ビジターでのデーゲーム』だったのだそうだ。東京ドーム竣工以来、天候に左右されない放送コンテンツとして確立された巨人戦は、ゴールデンタイムに組み込まれることを前提にそのほとんどがナイターとして開催され、札幌円山球場から札幌ドームへと球場を移した2001年から2003年の間には、デーゲームは一度も組まれていなかった(http://kos.homedns.org/~uzu/nittei2004.html)■だから、というにはいささか出来すぎたことに、最終回、なれない薄暮に巨人野手陣が立て続けに打球を見失い、3点差を逆転されてしまったのだ。横浜・山下監督をして「神風が吹いたね。一生に1度、あるかないかの試合」といわしめたそんな見ものも、だがしかし、放送時間の関係で地上波でオンエアされることはなかった(ハズである。その時間は『スーパー陸上』が放送されていた)■横浜の筆頭株主はTBSであるから、その試合編成に『放送コンテンツとしての価値』が加味されている、と考えるのは穿った見方ではあるまい。どこかの段階で球団幹部・放送局が、この23日のゴールデンに放送されるべきは【横浜vs巨人戦】ではなく【アッコに超おまかせ!"全員正解あたりまえクイズ!"芸能界激震!常識問題乱れ打ちSP!】であるという判断が、多少なりともなされたのであろう■巨人戦というコンテンツの価値の凋落ぶりが伺えるこのようなエピソードが、日本プロ野球にとって歴史的な日、まさにその同日に起こったということを、ここに書き留めておきたい。