ジル大臣「海賊版製作は文化」

「海賊版製作はブラジルの文化である」―。こう話すのは、今年1月、文化大臣に任命された歌手のジウベルト・ジルさん。(中略)
ジル大臣は、文化省が庶民的な文化の先頭に立つような姿勢をとるべきだと考えている。大臣にとって、海賊版のCDなどは警察問題ではないという。「確かに海賊版製作は、正規の仕事を減らす。しかし、その一方で不正規の仕事もつくる。単なる商標登録違反や著作権侵害というような問題ではない。かといって、海賊版業者を取締るといった警察の問題でもない。海賊版製作はそれ以前のものである。すでにブラジルの根強い文化になっているのだ」。
ジル大臣自身が歌手で、彼のアルバムの海賊版販売の被害を受けているだけに、意外な発言だと考える人もいるだろう。だが、「数日後には、自分の歌をインターネットから無料でダウンロードできるようにするつもりだ」と自ら述べていた。

『ニッケイ新聞 10月25日(土)付記事』http://www.nikkeyshimbun.com.br/
(但し記事は同誌メールマガジンより抜粋)

もちろん大臣のこの発言の一方で、ブラジルにおいてもCCCDの導入は進んでいる。
http://homepage.mac.com/musicai/odeon2.html

この発言の意図は、正規業者・海賊業者双方の、生活のための商業活動に政治的な介入はすべきでない、ということか。であれば、正規業者の『防衛の術』である技術の導入に、公人としては異を唱える筋ではないのだろう。

CCCDに対するネット上での意見に代表される『音楽は文化か商売か』という議論とは別の次元での、抜き差しならない泥くさい争いが、少なくとも彼の国にはあるということで。

CCCDに対する(ネット上で読める)意見大特集
http://xtc.bz/cgi-bin/a-news/a-news.cgi?date=2003.10.23
 ※こせきの日記経由http://d.hatena.ne.jp/koseki/20031024#1066976972

◆ジルベルト・ジル公式http://www.gilbertogil.com.br/