『ナイト ミュージアム』(ショーン・レヴィ)
ゾロゾロと人でないものが蠢き出す映画はワクワクする。だから子供をダシに『ナイト ミュージアム(吹き替え版)』を見る。字幕版は戸田奈津子先生。ああ、『パフューム』『ラストキング・オブ・スコットランド』に続いて戸田先生字幕を楽しむ機会を失してしまった。『ドリームガールズ』未見だからいいか。
ショーン・レヴィは前作の『ピンク・パンサー』で、スティーブ・マーチンの一人芸【フレンチなまりの英語を喋るクルーゾーが、アメリカで怪しまれないよう『ハンバーガー』と流暢に言えるよう何度も練習するが出来ない】を執拗に撮っていたのが、今回もベン・スティーラーがモンゴル人と出鱈目言葉で通じ合うなどのネタをやっていた。
それが若干流れがそがれるなあ、とか、徐々に展示品が動くのかと思っていたら、序盤で全員が普通に動き出してあれあれとかあったけど、みんなで力を合わせて悪を懲らしめ、父親も復権、流行らなかった博物館にも人が押し寄せという展開は、『ホーム・アローン』のクリス・コロンバスの本領発揮。駄目オヤジを叱咤激励する教師役(大統領の蝋人形)がロビン・ウィリアムス。小心者が虚栄を張って、後でバレて涙目なこんな役をやらせたらもちろん巧くないはずがない。
老優3人組の存在感も合わせ、意外にも役者で見せる映画でそれはそれで楽しいのだけれど、やっぱりこの手の映画はジョー・ダンテ先生か、バリー・ソネンフェルドあたりに撮ってもらって、徹底的にガジェットの楽しみを見せてもらいたくもある。もちろんそうしたら展示物は最後まで人間の意を介すことなく傍若無人に振る舞い、振り回される主人公は如何に奴らを撃退し灰にするかに奔走するという、なんとも野蛮で素敵な映画になっただろうから。
※主要な役で出演してるのになぜかクレジットされてないオーウェン・ウィルソンのインタビュー動画
※相手がヒトや動物でなければここまでやっていいのだ!というジョー・ダンテ先生素敵