その殺伐とした空気の中で、高橋はるみ・北海道知事の発言は、いくぶんほっとするものではあった。

見解は違ったとしても道民は道民です。道民は道民であって、その道民のご家族が、外務省の事務次官が自己責任だとおっしゃっているようですが、その議論はまた事件が解決してからのことであって、とにかくご家族が日本の歴史上初めてのような状況ですよね。こういう窮状を鑑みた場合に私ども道としては、その方々に最大限できる限りのお手伝いしたいと考えております。
http://www.pref.hokkaido.jp/skikaku/sk-skoho/g-kaiken/g-kaiken16/160413Kaiken.htm

いやほんとうに、人質が東京都民でなくてよかったと思う。

大文字の『公』が、構成員である個人に対して責任を放棄した今、個人ユーザが直接サービスをうける場所、例えば地方自治体であるとか小売店であるとか、そこが(対価を発生させることを前提として)社会的責任を伴った質の高いサービスを提供し、また消費者も消費行動を通じてそれを支援し淘汰するという行為しか、世の中を好転させることはできないのじゃないか。