世界の中心で、愛をさけぶ

さて、公開まで2ヶ月をきった『世界の中心で、愛をさけぶ』ですが、未だにWEB上で予告編はおろか、公式サイトすらオープンしていないのは何故だろう。
原作はこないだ書いたhttp://d.hatena.ne.jp/beach_harapeko/20040226ように中身もなにもないスカ小説にすぎないのだけれど、文芸別冊の行定監督インタビューを読むかぎり、映画版はかなり脚本段階で改変がはかられているようだ。
インタビューを読んだのが原作を読む前だったので、その改変がどのような意図であり効果をねらったものなのか判らなかったのだが、今、原作を批判した後であらためてそのことを考えると、『成長してからの主人公と、新しい恋人のエピソードを追加する』ということはすなわち、死んだ人間を想い出という標本箱に押し込んで、ずっと一緒に死んだままでいる小説に、死をのりこえ、それでも続いていく『生きるということ』を付け加えると言う、今、日本で親しい人の死を乗り越える映画を撮らせたらNo.1の行定監督ならではの改変であり、小説に対する辛辣な批判でもあると、俺はそうとらえて、若干映画に興味を持っているのだ。