輸入権が国会で審議されているので

なんか、ずいぶんと盛り上がっているようです。Amazon、HMV、TOWERの公式コメントを引き出せたのは、(ネット)世論が盛り上がった結果だと思うし、その効果はある程度あると思う。

でもヒネクレものの私としては、今になって『日本の音楽文化を守れ』とか言い出している評論家のたぐいには正直鼻白む。そんなに国の将来を憂いて国会に注目するのなら、年金法案の改正にこそ眼を向けるべきじゃないのかしらん。いくらCDが安くったって、所得が目減りしたら買えなくなるし!

たとえが悪いけど、普段はデモなんかに興味がないのに、近所にオウムの信者が引っ越してきたとたんにプラカードと横断幕で馳せ参じる人のような軽薄さを感じる。

いや、軽薄は軽薄でいいんだよ。でも『俺は年金やら日本の将来のことなんて興味ないけど、大好きなCDが買えないのはむかつくんだよね』という本音の部分を忘れてはいけないと思う。

実際、コメントを出したレコード屋の首脳陣は、文化の将来性なんかより『買えなくなったらむかつく』気分を敏感に察して、商売として有利になるように振る舞ってるわけだから、むしろ、実利的な本音の積み重ねが社会のシステムを実質的に動かすことがあるわけで。
それどころか、『文化を守れ』って言葉、実は『知的大国日本』みたいなスローガンと(実効性のなさにおいて)すごく似通っているんじゃないか、とすら思うし。

流行の言葉で言えば、『文化を守れ』的立場って、『みんなが怒ってる』みたいなアリバイなんじゃないかって思う。そんなに君は将来の日本を憂いているの?そうじゃないでしょ、自分が好きなだけ音楽を聴きたいだけでしょ?

それでいいんだよ。だから『俺』はこうこうむかついてる、ってもっと言おうよ。そんでいちいち、自分の立場を『みんな』で補完するのはやめようね(自戒を込めてます、はい)