正岡子規

ところで、松山というと『坊ちゃん』というイメージなんですが、実際行ってみると『正岡子規の街』でした。

『子規記念博物館』http://www.city.matsuyama.ehime.jp/sikihaku/という立派な施設を筆頭に、街のあちこちには子規の句碑が立ち、子規の過ごした住居跡だとか史跡もいっぱいあって、もう街ぐるみで、おらが街の子規センセイを称えよう!って感じ。
漱石なんかは『たまたま子規先生と同居したことがある人』くらい、軽く扱われているように思えました、もちろん観光客向けには、お菓子や店の名前に『坊ちゃん』が使われているのは数多く見かけましたが。
(あと、上記の博物館含め、街中で『大江健三郎』関係の何かを目にすることはありませんでした)

そんなわけで、松山の街を歩いていると、否応なしに『子規通』になっちゃう。
実際、博物館の展示解説で読んだ『子規の青春』なんかは、なかなか面白い。

地方の優等生だった青年が、東京の大学に入学して、遊びにかまけて落第したり、文学や俳句の世界を改革してやると公言して先輩にからかわれたり、それでもなんだか社会正義に燃えて日清戦争に従軍しちゃったり。

この当時のことを書き綴った随筆集『筆まかせ』ISBN:4003101391、乱暴に言っちゃうと今のWeb日記みたいで、書くことの喜びが、あらゆる対象に向いたオモシロ日記であり、藤子不二雄A先生の『まんが道』みたいな青春記でもある。

乱暴ついでに『まんが道』よろしく、藤子先生ふうオノマトペつきで内容を紹介するなら


 『プハー!仲間と飲む酒はウマーイ!』
 『ガガーン!芭蕉ってこんなに凄いひとなのかー!』
 『エッヘッヘ!寄席は楽しいなあ!』
 『オーイ、みんなで野球やろうぜー!』
 『ドヒャーン!遊んでばかりいたら落第しちゃったよー!』


誰かマンガか映画にすると、なかなか面白いんじゃないか、そんなことを思いながら博物館の3階『特別展示室』に行ってみたら・・・

うっわ、江川達也による醜悪な似顔絵が!!!http://www.city.matsuyama.ehime.jp/sikihaku/irasuto/egawa/index.html

そうかあ、もう江川達也は目をつけているのかあ。『日露戦争物語』だものなあ、建国の機運盛んなりし頃の立身出世青春譚なんて、いかにもにわかファッション右翼が好みそうな題材だよ・・・

というわけでひとつ、和田ラヂヲ先生に換骨奪胎していただきたいな。