華倫変

HPに追悼を書こうと思い、華倫変の単行本を買いに新宿へ行く。

途上、同行の友人に『うきうきしている』と指摘される。

ひとが死んだことで、雑文を書けて、嬉しい

因果なことだが、其の通りだと思った。

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バスの中、中年のオヤジ、一番前の椅子に座って、わきに立った初老の紳士に突如話し掛ける

『なああんた昨日選挙行ったか?誰に投票した誰よ誰よ・・・○○○子!あいつはレズだね!知ってんだよ俺あいつはレズ!』

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華倫変は他人との距離が取れない人です』と教えてくれた人がいた。
HPも教えてもらって、見て不快感が走った。

チャットに誘われた。
(ADSL入れたら行こうと思っていた。後悔)

そこで、その人は華倫変と会話をしていた。
時に叱咤し、批判しながらも、根気よく、厄介な人間と立ち向かっている。

良いファンがついているんだな、と思った。

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ハンバーガーショップ。注文カウンターに陣取る太った女。甲高い声で早口。

『・・・すんませんそれじゃこのセットにはポテトがつくんですか。マスタード味とバーベキューですか。うーんとこっちのポテトは味が違うんですか。じゃあこっちのセットとバーベキューのポテトをください。両方ください、いっぱい食べるんですテヘ。あ、やっぱりこのセットにしてくださいこのセットとバーベキューのポテト。優柔不断ですみんません。725円。じゃあ、1000円と30円で305円のおつりですね。あレモンはこれですね。2つもらってもいいですか、いっぱいいれるんでテヘ、すんません。あ禁煙席とかはあるんですか・・・』

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なのに華倫変は死んだ。
掲示板にのこされた、その人の書き込みが一番哀しかった。

華倫変保護倶楽部

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帰りの電車の中で『高速回線は光うさぎの夢を見るか?』を読んだ。カヴァーをしていなかったので周りの眼が気になった。

まだ『こっち』にいるのだなということを恥じらいと安堵のちゅうかんくらいの気持ちで感じた。

優しくなりたいと思った。

叫んでみたくもあった。

『このなかで犬や猫を殺したことがある人はいませんか』

そんなことくらいではなにも変わらないやと思った。