『秋の牢獄』『夜市』(恒川光太郎)

秋の牢獄

秋の牢獄


夜市

夜市

20日前後に読了。民話的な「かみかくし」潭に、微妙に現代的な味付けがされた作風、か。『雷の季節の終わりに』もそうだが、その「もうひとつの世界」の設計そのものが、どうも既存のノスタルジックなイメージの寄せ集めに感じられる。ラーメン博物館から、三丁目の夕日まで、それがいま広く受け入れられる世界観であることはみとめつつ、そのあざとさが少し居心地が悪い。朱川湊人小路幸也とおんなじ匂い。