今日は、3.14=π(パイ)の日

と、日本パイ協会が2002年に定めたんだそうです(爆)
http://www7a.biglobe.ne.jp/~pienohi/

日本パイ協会、会員はふたりだけで、でも地道にイベントを続けてきていて微笑ましい。『今年は、参加店舗が30店舗に増えました!』って。いいなあ。

でも、3.14でπの日、というのは気が利いている。記念して、ずいぶん前に関心空間に書いた記事を貼ってみたり。もはや持ちネタ化してるな。旧知の方、なんども同じ話をご容赦。

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『円周率』

高校に入学して1週間。クラスの連中も、次第に学校にも慣れて、初々しい緊張感がややほぐれてきたそんなある日。

初めての数学の授業で、教室に入ってきた若い男性教師は、そんなだれた教室を一瞥するや、おもむろにチョークを手に取り、黒板に向かって

「π=3.141592・・・」

と板書をはじめた。

あっけに取られる生徒達を尻目に、黙々と数字を書き続ける教師。その背中で、緊張感の薄れた生徒たちを叱責するような気配を放ち、教室に、重苦しい空気が漂いだす。

やがて教師は1時間をかけて黒板を数字で埋め尽くしてしまった。
そして、やおら生徒たちを振り返ると、

「いいか!これが高校の数学というものだ!!!」

と一喝した。

黒板一面に展開する、それはあたかも宇宙の秘密を解き明かす大曼荼羅。その神秘の前に、誰一人、口を利けるものはいなかったという。

3年後。

あの、最初の授業に感銘し、数学の道を歩むことを決意した一人の生徒が、めでたく大学に受かった報告に、かの教師の元を訪れた。

談笑を重ねるうち、ふと、あの授業のことを思い出し、

「僕はあの授業で、数学を学ぶことに決めたんです」

と生徒が言うと、教師はあっはっはと呵呵大笑し、

「いやすまん、あれは10桁くらいから先は全部デタラメだったんだよね〜」



以上、かつて友人に聞いた話。