脳内か超常かメタ

フライトプラン』が見たくて仕方がなかった。

“衆人環視の飛行機の中から子供が忽然と消え失せる。客観的な事実は「子供は元からいなかった」と母親の妄想を示唆している。しかし、唯一残された娘の痕跡を心の支えに、母親はひとり、見えない敵に立ち向かう”

そんな謎が予告編で示され“解決編は映画館で”となれば・・・もう足を運ばずにはいられない!
果たして、どんな解答が示されるのか。昨年『フォーガットン』で驚喜した私としては、もはやアメリカ映画にフェアなオチなどは期待していない。国家的陰謀だろうが、外部宇宙からの侵略だろうが、夢オチだってオカルトだってなんでも呑込む覚悟だ。

ジョー・ダンテが開けてM・ナイト・シャマランががばがばに広げてしまったフィクションの底の穴によってとんでもない方向へ変容したアメリカ映画が、私は好きだ。『ドリームキャッチャー』や『アイデンティティー』『ファイト・クラブ』みたいなキワモノに大金がつぎ込まれ、大作映画として年に数本はリリースされるという不思議の国ハリウッド。唯一正統たるSFを意地で作り続けるスピルバーグの奮闘むなしく、たぶん彼の国のフィクションは、フィクションのあらゆる技術と位相の入り交じった精神分裂症的な様相を極めて行くのだろう。

・・・というような期待(笑)を抱いて見た『フライトプラン』だが、割と普通の(無理めの)ミステリだった。どうやらジョディーにはジュリアンほどの思い切りがないらしい。女優生命を考えれば正解の気もするが。

というわけで、一番嬉しかったのは、そのシャマランの新作の予告編が見られたこと。
“引きこもりの管工が、夜中、庭のプールから出て来た妖精に出会って・・・”
もう好きにしてくれ!

【Lady in the water】
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