『撮影現場のリスク管理も含め、僕らはMacに移行する(阪本善尚)』
きのう幕を閉じたInterBEE 国際放送機器展。
幕張メッセで大々的に行われていた、国内有力メーカーから、国際的なトップメーカまで、映像産業を支える最先端技術が集う大展示会のその一角、ひときわスタイリッシュな装飾と巨大なモニターが目につくAppleComputerブース。
Shake4、Motion2から生み出される、スーパー格好いいモーショングラフィックスが、ここでもクリエイターから圧倒的な支持を受け、もっさい国内メーカーのスタッフから羨望のまなざしで見つめられていた・・・そうその時迄は。
いきなり大写しになる菊花紋章。俳優陣のおもたーい演技。ぶっ放される大砲、機銃で蜂の巣になる兵隊の阿鼻叫喚、撃沈される巨大戦艦。そして大音量で流れる長渕剛(笑)
そう、今年アップルは、映画『男たちの大和/YAMATO』を大フィーチャーしたのであった。
ものすごい違和感(笑)を周囲にふりまいたブースは、しかし従来の客層であるデザイナー層のみならず、堅牢なシステムを要求する職人肌の映像技師の目を、確実に引きつけた。そしてまた、どう考えてもアナクロでコンサバな『戦艦大和』の映画が、次世代映像技術への、実にアクチュアルでチャレンジングな取り組みの成果であることも、少なからずアピールしていたと思う。
編集者、VFX統括者によるセッションには、通路を埋め尽くすほどの観衆が集まっていた。
そこで、FinalCutProの2時間半におよぶ1本のHDプロジェクトを左から右へ一気にスクロールしてみせたときの、あるいはShakeのシネマディスプレをはみ出す蜘蛛の巣のような巨大なノードを探査したときの、そしてその結果である予告編を上映した時の、ひそかな、しかし地からわき上がるような『うぉ』という観客のうめき声を覚えておきたいと思う。
その声は、日本映画が、次世代のデジタル化に向かうひとつのマイルストーンが、誕生する瞬間に立ち会った人々の証言なのだから。
【詳細はこの3本を是非】
■撮影編
http://www.apple.com/jp/pro/filmvideo/sakamoto/
■編集編
http://www.apple.com/jp/pro/filmvideo/yamato/
■VFX編
http://www.apple.com/jp/pro/filmvideo/yamato2/