風を吹かす

『ジャニーズ、早大コラボの狙い…提携で演技に磨き』

 このほど、大手芸能プロのジャニーズ事務所が、早稲田大学演劇博物館と提携し、「@ザ・グローブ・プロジェクト」を発足させた。(中略) 最初の舞台に参加する俳優、岡本健一(36)は「演技を教えるつもりはない。でも、僕もそこに出演するとなると(レベルの)低いものにはできない。精神的に(みんなの)モチベーションを上げていくようにしたい」と意気込んでみせた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050926-00000012-ykf-ent

ここ数年、大晦日の年越しは、TVで『ジャニーズ・カウントダウン』を見ている。ジャニーズに詳しいわけではないが、多分SMAP以外のグループが一同に介するイベントで、ああこういう奴らが今いるんだ〜と、通販化粧品のカタログのような心持で眺めている。

で、中盤くらいに、スペシャルゲストあつかいで『大物』が出てくるコーナーがある。『大物』と言っても世間一般の認識ではなくて、体育会体質色濃かろう、ジャニーズ上下関係においての『大物』、早い話が『先輩』、それもキムタク先輩やヒガシ先輩みたいな世間一般的にも『大物』と言えないこともない人を【除いた】、わりと最近は暇なんだろうなあ〜という『先輩』。
ヒガシ以外の少年隊とか、名前も忘れてる光ゲンジのメンバーとかそんな人たちが若ジャニたちにちやほやされながら登場する中で、毎回異彩を放つ、というかハッキリ言って嫌な雰囲気を漂わせているのが、岡本健一センパイだ。

裸に袖なしの革ジャンに短パン、でかいサングラス。レイザーラモンHGみたいだが全然マジなオカケン。
もしあなたが学生時代に体育会のサークルなり部活に参加していたのならわかってもらえると思うが、いたでしょ、自衛官や警官になっていて、体力があまりまくっていて、突然部室にやってきては、理不尽なシゴキや過酷な練習を強要するOB。『あのセンパイ、怖いんだよね〜』といわれてしまう人。先輩風、という言葉がぴったりの社会落伍者。
あれと同じ“風”を、ブラウン管の向こうで若ジャニを侍らせているオカケンに感じる。そしてその“風”に吹かれて嫌な感じを感じないと、年が越せなくなっている俺がいる。
思えば、90年代の初頭、岡本健一は日本映画を背負ってたつんじゃないか?と思われるような輝きを放っていたものだ。長崎俊一の最高傑作『ロックよ、静かに流れよ』、アルゴ・ピクチャーズの最初期にあたる『女が一番似合う職業』、90年代バブル映画の仇花にして快作『あいつ』(共演、浅野忠信!)。そんな健ちゃん見てきてるんで切ねえんだね、俺は。

見たところ、健ちゃんは最近、舞台を主な活躍の場所にしているようだ。舞台という世界は、テレビや映画に比べて“風”が吹き荒れやすい場所なんじゃないか、その水に、合った健ちゃんは、僕らの知らないところ(グローブ座とか 笑)でますます“風”を吹かせまくってるんじゃないかと思っていた。

そうしたらこの記事だ。早稲田の演劇部とジャニーズ演劇のコラボ。可哀想な早稲田の学生たち。きっと健ちゃん、先輩風に加えて、芸能人風も吹かせまくるに違いない。

『演技を教えるつもりはない』って(笑)嫌な“風”だなあ(笑)