シカクいアタマをマルくする

今朝の電車内広告で見た、日能研の広告の問題は、文字にするとこんなかんじ。

円環状にならべた8つの空欄に、異なる自然数を入れるとする。
それぞれの自然数が、隣あう2つの自然数の平均となるような組み合わせは存在するか。
http://www.nichinoken.co.jp/mondai/sm_sa_0407.html

『ならない』ことを言葉で説明させるという問題。いまどきの中学入試は、なかなか面白いなと思う一方、問題としては、いまひとつ優雅さに欠ける。
答えは
『組み合わせのうち最大の数は、他の如何なる2つの数の平均にはならないから』
で、“8つの空欄”も、“円環状”も、実は本質的なことではなく、目くらましに近い。
出来うるなら、“8つであること”や、“円環状に並べたこと”が、特別な魔法を発揮して、美しい模様が見えてくるような、そんな問題ならいいのになあ。

と考えているうちに、バリエーションは作れないかな、と思いたつ。
例えば、中学入試なので省かれた、負の整数まで領域を広げて、

異なるn個の整数を選ぶ。
これらの整数全てが、他の異なる2つの整数の和となっている。

ような組み合わせは可能かどうか。

nが無限大、すなわち整数全体の集合なら、これは成り立つわけで、そのなかから有限個の要素で閉じた集合を選ぶ特定の『法則』があるや否や?という問題。

まず、『全ての要素が正である』または『全ての要素が負である』ことはない、という証明。

『全ての要素が正である』と仮定した場合、その中で最小のものは、他の2つの要素の和では表せない。よって否定される。『全ての要素が負である』も同様。証明終わり。

今、正の要素の最大値をa、負の要素の最小値をa'とすると、
aは2つの正の要素の和として表されねばならない。
a=b+c となる、b、cが必要。
同様に
a'=b'+c' となる、b'、c'が必要。

よって、この集合の要素の最小数は、6。
さらに、
a=-a' b=-b' c=-c' をみたせば、全ての要素は、他の異なる2つの要素の和として表せる。

a=b+c
b=a-c=a+c'
c=a-b=a+b'
a'=b'+c'
b'=a'-c'=a'+c
c'=a'-b'=a'+b

よって、要素がn=6の場合、そのような組み合わせは可能。

ついでに、

a,b,c と異なる正の整数 d,e,f を、
d=e+f
となるように定め、同様に d',e',f' を定めれば、
(d,e,f,d',e',f')もまた、全ての要素が、他の異なる2つの要素の和として表せる集合となるので、
(a,b,c,a',b,'c')との和集合(a,b,c,d,e,f,a',b,'c',d,'e',f')もまた、条件をみたす集合となる。

ようは、要素の数が6nであれば、条件を満たす組み合わせは存在する。

・・・と、ここまではなんとかひねり出したんだけど、こっから先はわからん!
一般的な法則があるんじゃないかと思って、大学時代の教科書引っ張り出してみてみたんだけどね。
だめだ、全然錆び付いてるよ、おれの頭。

どなたか、ご教授ください!