第8回手塚治虫文化賞 短編賞に秋月りす

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大賞があんまりな結果なので別の話。

朝日新聞(の話ばっかりだなあ。ファンか俺は)の夕刊に連載されてる、しりあがり寿の4コマ漫画がつまらない。「夕刊の4コマ」を過剰に意識してるのか、あるいは編集の要請かもしれないけど、時事ネタや社会批評の取り込み方が不細工で読むに耐えないことがしばしばある。

朝刊のいしいひさいちがそのへん天才的というか図太いので(町内会長役でナベツネが出てきたときには驚いた)、どうしても比較してしまうし。

安定感が第一に求められる新聞4コマ漫画に、不安定が魅力のしりあがり寿っていうそもそもミスキャストなんだけど、まだまだ描く気満々だった砂川しげひさ(HPでいまだに「ワガハイ」を毎日描いているhttp://sun.cside.com/frame.html)を降板させてまで登用の背景は、編集者をふくめた世代交代が意図だろう。

ところで、いしいひさいち植田まさしを排出した4コマブームが去って以来、吉田戦車和田ラヂヲ相原コージ以降の「青年誌4コマ」って独自のジャンルは、作家のマイナーな魅力で引っ張られてきたわけで、そこから育ってきた人たちには、どうも新聞の4コマ漫画に求められるメジャーな素養がある人が手薄なんじゃないか。

週刊誌でいろんな作家が試されてるけど、風刺漫画家気取り独特の不快な雰囲気を身に纏っちゃう人か(高橋春男とか、やくみつるとか)、そうでなければメジャー向きでないことを露見するかで(花くまゆうさくとか、イタくって仕方がない)、そろそろちゃんと次世代の、「誰からでも愛される、安定的な漫画」を描ける人材を育てとかないといけないんじゃないの?

というわけで、実はその最右翼は秋月りすだった!今回の受賞により、しりあがり寿の次は、秋月りすで決まりです。