牛丼最後の日

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040210-01655770-jijp-dom.view-001

風邪ひいて休んだので、夕方、フジテレビのスーパーニュースを見ていた。
俺は最近の夕方のニュースの低俗なバラエティーっぷりを、けなしながら見るのが大好きなので、『牛丼最後の日に吉野家有楽町店に行列!』『イケメン店員がおすすめ!銀座バレンタイン戦争』という嬉しくなるほどの低俗なネタが続いて思わず『この2件、場所が近所だったから、同じスタッフが掛け持ち取材したんだろうなあ。安上がりな特集だぜ!』などとイジワルな感想を漏らして家内から『またかよ』みたいな目で見られていたのだが、それはともあれやっぱりこの牛丼騒動の白痴っぷりは常軌を逸していると思う
最初にヨーロッパでBSEが発生したときや、日本で感染牛が発見されたときの過敏とも言える反応は、もう過去のこととして忘れられるほどには小さくなかっただろう。あのときは過去欧州から輸入されてきた牛骨粉がどれほど加工食品に使用されていた『可能性があったか』までマスコミで取り上げられ、安全性を証明するために大臣が焼き肉にカイワレを巻いて食って、それがまたマスコミから失笑こみで批判されて、焼肉店ステーキ屋は閑古鳥で一家心中が相次ぎ、食卓から牛肉が消えたので家計に余裕ができて浮いたお金を奥様方がヘソクリに回し貯まった頭金で購入したのでマンション契約数が過去最高を記録するなど、日本経済に少なからぬ影響を与えたというのに、なんなんだ、今回の危機感のなさは?
聞けば、アメリカにおけるBSE検査のお粗末ぶりは、背筋が寒くなるほどのものだと云うじゃないか。輸出食物には規定値以上の残留農薬を使っても平気の平左(たしか『美味しんぼ』で読んだ)のあの国から来てる牛肉だ、過去にどんだけ汚染された肉が輸入されてるかわかったもんじゃないじゃないか。
それが客離れどころか、食えなくなるから客が殺到!?
これは完全に今回のBSE騒動を、単なる風物ネタとして情報操作するよう、どこかからのなんらかの意図がはたらいているとしか思えませんな。うわ、でた、陰謀史観。それは大げさとしても、『実際に発病した人も知らないし、まあ俺には関係ないし』といった視聴者の無感覚に、送り手が敏感に反応して、いわば相互互助的な白痴現象が繰り広げられているという訳か。
例えば同時期に起こった東海村の放射能漏洩事故の際も、残留放射能で茨城や千葉の農産物に多大な被害が出ると、かなり誇張気味ではありながらも警鐘が鳴らされていたこともいつしか忘れ去られていて、そうなるといつかどこかの原発が大事故を起こしたとしても、『電力供給量が減ったので、都会からネオンが消えました』くらいのネタとしてしか取り上げられなかったりして。