2004-11-18から1日間の記事一覧

『いま、会いにゆきます』

実はこの、同時期に邦画3社で封切られた3本を並べて、『日本の家庭トリロジー』として論じてみようと、気乗りはしないままにこの映画も見たのだが、まずは中年既婚男性には、非常に辛い映画であったと告白しておこう。 で、結論から先に書く。 『いつまでも…

『海猫』

『血と骨』が、理不尽な暴力をふるう父親と、それに耐える母親という前近代的な家庭の崩壊を描いた映画だったとすれば、この『海猫』は、その象徴的な『父親』亡きあとの日本の家庭で起こった悲劇であると、対置することが出来る。 映画の舞台は、80年代(原…

『血と骨』

崔洋一は暴力映画の第一人者と思われていそうだが、実は作品中に直接的な暴力描写はあまりなかったりする。むしろ、暴力に代表される人間の営みの混沌と緊張で画面を埋め尽くす手法が、暴力的、な快感として観客に刷り込まれているのではないか。 とはいえか…